2022年5月10日 STUDIO DIVE

2023年10月から消費税の新しい制度として「インボイス制度」が始まりますね。

なんとなく耳にしていたインボイス制度ですが、私のように実際にどう変わるのか、どう対応したらいいのか

よくわからない方も多いかと思います。そこで実際に調べてみることにしました。

インボイス制度とは

インボイス制度は、消費税が複数の税率となったことにより制定された、新しい仕入税額控除の方式のようです。

2021年10月より登録手続きが開始されるています。この「インボイス制度」に対して個人事業主が準備しなければならないことを調べていきます。

 

まずは消費税についておさらいしてみる

消費税とは商品・製品の販売やそのほかのサービス提供などのさまざまな取引に対し、公平に課せられる税です。

消費税は税金を負担する方と税金を納める方が異なる「間接税」に分類されます。

例えば、お店で商品を買うとき、消費税を支払うのは商品を購入した方ですけど、実際に税金を納めるのはスーパーですよね。

これが間接税の仕組みです。一方、所得税や法人税のように自分で税額を申告して納める税金は「直接税」と呼ばれます。

消費税は2019年から、一部の飲食料品や新聞に課せられる軽減税率と、それ以外の標準税率に分かれました。

 

  • 軽減税率:8%
  • 標準税率:10%

 

消費税を徴収して納める義務があるのは、基準期間もしくは特定期間中の課税売上が

1,000万円を超えた事業者である「課税事業者」です。

課税売上高になる収入の主なものとしては、

 

  • 商品やサービスの販売収入
  • 事業者に対する家賃収入
  • 家屋・車や備品など動産の売却収入
  • 原稿料や報酬などの収入

 

これらの収入の合計が1,000万円を超えていれば消費税を納税義務があります。

その場合「課税事業者」となるわけです。

 

個人事業主の場合の基準期間は前々年の1月1日~12月31日。特定期間は前年の1月1日~6月30日です。

法人の場合の基準期間は前々年の事業年度。特定期間は前年の事業年度開始以後の6ヶ月間です。

 

これに当てはまらない場合は「免税事業者」となり、消費税の納付義務が免除されます。

免税事業者が消費税を受け取っていた場合は、消費税を納める必要がないため、その消費税は「益税」として免税事業者の利益扱いとなります。

 

インボイス制度とは適格請求書等保存方式

インボイス制度の正式な名称は、「適格請求書等保存方式」。いくつかの条件をクリアした請求書や納品書を交付、保存するための制度です。

下記の条件をクリアした請求書の交付、保存を必要とする制度です。

 

  • 適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容
  • 税率ごとに合計した対価の額および適用税率
  • 消費税額
  • 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

 

取引先が消費税の仕入税額控除をおこなう場合には、この「適格請求書」の交付が個人事業主でも必要です。

適格請求書とは?

適格請求書とは、適用税率や税率ごとの税額が記載された請求書や納品書、その他のこれらに類する書類です。

現在の消費税率は10%ですが、取引の中には8%の軽減税率が適用されているような新聞や飲食料品もあります。つまり2つの税率が混在している状態です。

正しい消費税計算をおこなうためには商品に適用される税率を購入者に正しく伝える必要があります。

この適格請求書を用いた請求書を基に消費税の仕入税額控除の計算をおこない、証拠資料として保存することを「適格請求書等保存方式」と言います。

適格請求書は請求書などを発行するすべての事業者が発行できる訳ではありません。発行するためには「消費税の課税事業者」である必要があります。

事業者はこの税金を消費者から一時的に預かり、国に納税する義務があります。

しかし、前々年の課税売上高が1,000万円以下の事業者は「免税事業者」です。

免税事業者は、消費税を納めていないため「適格請求書」の発行をおこなうための適格請求書発行事業者になることができません。

取引先に「適格請求書」の発行を頼まれても発行することができず、取引先の税負担が増えることになるため取引ができなくなるかもしれません。

そのため、インボイス制度導入後も免税事業者である事業主が取引先と消費税法上の正しい取引をおこなうためには、

「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、自ら「課税事業者」となることが求められます。

インボイス制度が導入されると、免税事業者も自ら課税事業者を選択するケースが増えるため、

消費税の納税負担だけ得をする(益税を得られる)ことができなくなります。

インボイス制度に対応しなかった場合のデメリット

インボイス制度と個人事業主には密接に深い関わりが存在します。「よくわからないけどなんとかなるだろう」と思っている個人事業主は、

仕事が激減し収入減に対応できない問題が発生するかもしれません。

 

インボイスが発行できる事業者との取引かを確認する必要がある

適格請求書を発行できない事業者からの仕入れは「仕入税額控除」ができません。

請求書がなくても支払先や請求書がない理由を帳簿に記載すれば「仕入税額控除」を受けることが許されていたのですが、

インボイス制度の導入後は「仕入税額控除」の条件の中に「適格請求書」の保存があるので、今までよりも厳しい規制になります。

つまり、取引先はあなたが「適格請求書」を発行しなければ「仕入税額控除」を受けることができないので消費税を過大に納めることになります。

「免税事業者の個人事業主は損だから止めておこう」となる懸念がでてくるのです。

 

免税事業者はどのように対応すべきか?

制度開始前の今、個人事業主がどのように対応すべきでしょうか。

「インボイス制度」に登録し、課税事業者となるかの判断をしなければなりません。

適格請求書発行事業者に登録せずに免税事業者のままでいれば、

これまでどおり消費税の申告は免除され、受け取った消費税を利益にすることが可能です。

ただし、インボイスを発行できない個人事業主は、仕入税額控除の関係で仕事が減ってしまうリスクがあります。

これまでどおりの取引を続けるには「消費税課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者になるほうが無難かと思います。

しかし、課税事業者となった場合としても、例え基準期間と特定期間で売上1,000万円を超えていなくても

消費税申告と納税、帳簿付けの義務が発生します。労力の増加や益税分の利益低下が予想されます。

 

最後に

インボイス制度は、2023年10月より開始される予定です。

個人事業主(フリーランス)といっても、美容師やデザイナー、エンジニア、一人親方など多種多様な業界があるので、

インボイス制度の影響は様々です。

対応するために今のうちからきちんと準備しておくことが大事ですね。