ただしWindowsでは、全角入力のままショートカットを押すと見慣れない表示が出て作業を止められる場面がある。設定を変える前に、この注意点も合わせて知っておきたい。
Premiere Proのキーボードショートカットを編集画面から変更する手順
マウス操作だけで編集していると、カットの切れ目を探すたびに手が止まる。Premiere Proにはキーボードショートカットを自由に割り当てる画面が用意されているが、普段から開く人は少ない。
この設定画面を使って編集速度を上げた記録を公開しているのが、就労移行支援側からの依頼を受けて記事にまとめたいこうさんだ。本人は「小技」と謙遜しているが、内容は具体的な手順そのものだ。
| キー | 用途 | 効果 |
|---|---|---|
| W・E | タイムラインの表示を縮める・広げる | ズームの操作をキー一つで行える |
| A・D | 前後の編集点まで一気に削る | 長い素材でも区切りの作業が速くなる |
| S | その場でカットを入れる | マウスでの位置合わせが要らなくなる |
| F | 空いた隙間を詰めて消す | 削除と詰めを一度の操作にまとめられる |
| J・K・L | 早送り・停止・巻き戻し | 確認作業を手元のキーだけで進められる |
開く場所は「編集」メニューから「キーボードショートカット」を選ぶだけで、特別な追加機能は要らない。一覧の画面が開くので、変えたいキーを探して割り当て直す。
いこうさんが変えたのは何か所かだけで、しかもすべて左手側に集まるように選んでいる。右手でマウスを操作しながら、左手だけでカットや確認を進められる配置だ。
具体的には、タイムラインの表示を広げたり縮めたりする二つのキー、編集点までを一気に削る二つのキー、その場でカットを入れるキー、空いた隙間を自動で詰めて消すキー、そして再生を早送り・巻き戻し・停止する三つのキーを選んでいる。
どれも難しい機能ではなく、もともとマウスのドラッグや別のボタンで実行できる操作だ。違うのは、手を動かす距離と、画面を見ながら押せるという点だ。
前の設定が消えるのが怖い人のために、別名で保存してから変更する方法も併せて紹介されている。元の配置に戻したくなったときのために、変更前の状態を残しておけるという案内だ。
この記事は就労移行支援側からの依頼という経緯も明かされている。支援先からショートカットの話をまとめてほしいという要望があり、いこうさんが自分の設定を振り返って書き起こした。依頼がきっかけという点も含めて、特別な上級者向けの技ではないことが伝わる。
普段からコピーや貼り付けのような基本のショートカットは意識せずに使っている人が多い。今回紹介されているのは、それと同じ感覚で編集の工程に組み込める追加の数か所だという位置づけだ。
ExcelやWordでCtrl+Aのようなショートカットを当たり前に使う人ほど、Premiere Pro側にも同じ画面があることに気づいていない場合が多い。設定画面の存在を知るだけでも、変更への心理的な壁は下がる。
インタビュー素材のような長尺の素材では、不要な部分を探して切り取る作業が何度も発生する。そのたびにマウスでシークバーを操作していると、画面を往復する時間だけで編集全体の進み方が変わってくる。
こうした地道な積み重ねは一度に実感できるものではない。いこうさん自身も、効果がはっきり分かってきたのは数週間使い続けてからだったと振り返っている。
全角入力のままショートカットを押すと表示が乱れるWindowsの不具合
せっかく左手にショートカットをまとめても、Windows環境だと思わぬところで作業が止まる。入力モードが全角になったままショートカットのキーを押すと、画面の左上あたりに見慣れない表示が出てしまう。
いこうさん自身、この表示を見慣れないバーと呼んでいる。カットの作業に集中しているときに限って現れるので、地味にいらいらが募る。
Blackmagic Design公式のDaVinci Resolve製品ページは、DaVinci Resolve・Final Cut Pro・Media Composer・Premiere Proなど主要な制作ソフトとの間でファイルを移しやすいと説明している。Premiere Proは、他の編集ソフトとも渡り合う位置づけのソフトである。こうした細かい入力の癖は見過ごしにくい。
原因は日本語入力の仕組み側にあり、Premiere Pro側で直す方法は見当たらないといこうさんは書いている。半角の状態に切り替えてからキーを押す、というだけが対策になる。
対策としていこうさんが勧めているのは、作業の順番を分けることだ。カットだけを集中して進める時間と、テロップや音の調整をする時間を分けておけば、入力モードを切り替える回数そのものが減る。
ちなみにMacではこの表示が出ないそうで、環境によって対策の要否が変わる点も書き添えられている。Windowsで編集する人ほど、入力モードを意識する習慣を先に作っておきたい。
この表示が出るタイミングには共通点がある。日本語で入力したテロップの確認を終えた直後や、ファイル名を日本語で検索したあとなど、全角の状態が続いたままショートカットの画面に戻ったときに起きやすい。
いこうさんは、この不具合そのものを直す対策はないと断っている。慣れている人ほど、半角にしてからキーを押すという一手間を、作業の中にあらかじめ組み込んでしまっているそうだ。
全角入力の癖はPremiere Proに限った話ではなく、日本語入力システムを使うWindows全般で起きやすい現象だ。ただ、ショートカットを多用する編集作業では表示が出る頻度が増えるため、編集ソフトならではの困りごととして取り上げられている。
表示が出たあとも作業自体は続けられる。目に入ると気になるだけで、素材やタイムラインの内容が壊れるわけではない。表示を一度消してから作業を続ければそれで済む。
ショートカットを編集の型として定着させるための工夫
設定を変えただけで満足してしまうと、気づけば元のマウス操作に戻っていることも多い。いこうさんの記録が参考になるのは、割り当てた後の使い方まで書いている点だ。
左手の配置を、タイムラインの表示を広げ縮めする二つ、編集点を削る二つ、カットを入れる一つ、隙間を詰めて消す一つ、再生を操作する三つという並びで覚えると、指の動きが毎回同じ順番になる。
長い素材を編集するときほど効果が大きいというのも、実感として書かれている部分だ。編集点までを一気に削る操作と、再生の早送り・巻き戻しを組み合わせると、確認のやり直しが減っていく。
編集の後半で入れるテロップやBGM、エフェクトの調整は、カットの作業とは別の時間に回すとよい。全角と半角を行き来する回数が減り、ショートカットを押す場面そのものが安定する。
自分に合わせて一から全部のキーを変える必要はない。いこうさんのように、よく使う操作だけを数か所選び、左右の手の役割を分けるところから始めれば、途中でやめても元の設定に戻しやすい。
編集スピードを一気に変えるような大きな機能ではないが、毎日のカット作業の中で積み重なる手間を減らせる工夫だ。別名保存をしておけば、試してみて合わなければ元に戻せる。
設定画面には他にも変更できるキーが並んでいるが、いこうさんは闇雲に増やすことを勧めていない。増やしすぎると、どのキーに何を割り当てたか自分でも忘れてしまうからだ。
まずは今回のように数か所だけを変え、しばらく編集に使ってみて、手が止まる場面が減ったかどうかを確かめる。合わないキーがあれば、別名保存した元の設定に戻してから組み合わせを見直せばよい。
マウスでの操作が向いている場面も残っている。細かい位置の微調整やエフェクトの数値入力のように、画面を見ながら少しずつ動かす作業は、ショートカットより素直にマウスへ任せたほうが早い。
同じ組み合わせが誰にでも合うとは限らないとも書いている。自分の手の大きさや普段の持ち方に合わせて、キーの位置を試しながら決めるとよく、左右どちらの手を使うかも人によって逆のほうが合う場合がある。
AI編集部のつぶやき